感想

最悪なる災厄人間に捧ぐ(さささぐ) │ ネタバレなし感想と序盤あらすじ

ケムコのADVゲーム『最悪なる災厄人間に捧ぐ』のネタバレなし感想と序盤のあらすじです。

ネタバレ無しとはいえ、最序盤のあらすじ込みで感想を書いている記事(シュタゲで言うと最初に○○○○○○を完成させる辺りまで)なので、ちょっとでもこの作品が気になっている人は、今すぐ回れ右してストアに移動するんだ!バイナウ!

正直この記事や公式サイトを見ず、何も先入観なしでプレイするのが正解な良作だぞ!

購入するか迷っているので、ちょっとだけ序盤のあらすじだったり、プレイした人の感想が聞きたい…という人は↓へ。

物語の導入

~公式あらすじ~
「透明人間」の少女と歩む物語
透明人間の少女・クロと、透明人間しか見えない少年・豹馬。
互い違いの孤独を埋めるため、寄り添って生きる2人に、
やがて“災厄”は牙を剥き、残酷な世界が立ちはだかります。

パラレルワールド。透明人間。神隠し。全知の石板。
繰り返される滅びと別れの果て、完全なる絶望が訪れる前に、
不条理な世界の謎を解き、救いに至ることはできるでしょうか?

必然にして未然だった出会いから始まる、悲しみと超克の物語。

主人公の豹馬(8歳)は急に人間を含めた全ての”動物”が認知できなくなくなってしまう。
自身や他の生物の姿は見えず、声も聞こえないが、触れれば感触はある状態。
言ってしまえば、自身以外の全てが透明人間になってしまったような状態だ。

自分以外何一つ動くものもない世界に1人取り残され絶望した豹馬が、唯一認知できる少女「クロ」(6歳)と出会う所から物語が始まっていく。


▲公園で出会った少女「クロ」。

ヒロインのクロは主人公とは逆に、誰も見ることができず、触れる事もできない孤独な少女だった。
最初は自分を認識できる主人公に驚いていた「クロ」だが、”主人公がソフトクリームをあげた”事で次第に心を開き、やがて共に暮らし始める。


▲「クロ」にソフトクリームをあげるシーンでは「何味のソフトクリームをあげるか」という選択肢が出てくる。このシーンでは「とうふソフトクリーム」しか選べないが……

主人公はクロの助けを借りながら、生物が認識できなくなった世界で何とか生活を取り戻していく。
主人公に周囲に人間が居ると教えてくれたり、周りの人間の声を代弁して教えてくれたり…と、とにかく甲斐甲斐しく主人公のお世話をしてくれるクロ。

ただ、どうしてもクロ1人でできることには限界があり、学校に行った際に豹馬はちょっとした諍いに巻き込まれ、ふさぎ込んで寝てしまう。

ふと、クロの話し声で目覚める豹馬。
自分以外にクロを認識できる人間は居ないはずなのに、誰と話しているのだろうと目を向けると……

 

 

急にクロが5人に増えていた。

新たに増えた4人のクロは「別世界のクロ」であり、それぞれ出会った経緯となったソフトクリームの味が違う世界から来たということが判明。

クロ達はそれぞれ、もらったソフトクリームにちなんだ名前をつけられ、5人で5つの世界を行き来して豹馬を助ける事を決める。

▲クロ達にしか見えない「扉」。これを使うと別の世界を行き来できるらしい。主人公たちを取り巻く特殊な世界観はこういった形で図で説明される事が多く、設定がすんなり頭に入ってきてくれる。


▲5人のクロが豹馬の身の回りの状況を細かく教えることで、生物が認識できない豹馬も学校生活が送れるように。

 

やがて豹馬は5人のクロ達にも、些細な違いがあることにも気づく。
少しだけ自由奔放な、納豆ソフトクリームを貰った世界のクロ「なつ」。
どこかおっとりした所のある、豆乳ソフトクリームを貰った世界のクロ「にゅー」。

クロ達も一人一人違う「クロ」になりたいという意識を持ち始め、次第にその性格の差異も大きくなっていく……。


▲全員考え方が違うので、ちょっとした混乱が起きることも。ドラえもんで見たことあるなこの光景。

クロが可愛すぎて目が離せない

生物の姿も声も認識できなくなり、なにもない世界に取り残された主人公。

主人公以外には見ることも、触れることもできない5人のクロ達。

別の世界とは?
クロは一体何者なのか?
主人公が陥った症状は何なのか?
「災厄人間」とは?

謎がどんどん増えていく中、物語は予想もつかない展開にハラハラドキドキしっぱなしになるのだが、
それはそれとして。

本作はとにかくヒロインとなる「クロ」が可愛かった。


もう、超かわいい。


かわいさ最強ランキング1位。


ただただクロがかわいい。

出会う前のクロに何があったのかを紐解き、
豹馬と暮らし始めてからのクロの成長を見守り、
どんどん違いが出てくる5人のクロ達の掛け合いにニヤニヤする。

とにかく物語の中心に居るクロが魅力的すぎて、読んでいる間はずっと「クロかわいい!」という気持ちが豹馬とシンクロしていた。

とはいえこのゲーム。
ジャンルは限りなく透明で残酷な“災厄世界系”ノベルADV
タイトル画面もクロの泣き顔。

全体的に不穏な空気がプンプン出ているだけあり、当然心苦しい展開もあるのだが、クロのひたむきさや献身に心を打たれてどんどん物語にのめり込んでしまう。

とにかくプレイヤーが自然とクロを好きになるようにできているように感じた。
(ここはプレイした人みんな同じ感想持つんじゃないかな)

▲自分がプレイ中好きだったのは「きな粉ソフトクリーム」の世界のクロ、キナちゃん。他の世界のキナちゃんよりも真面目!かわいい!


▲主人公である豹馬も個性的なキャラをしており、クロ同様好感を持てるので、気づいたら2人を応援しながら読み進めちゃいます。

ルールで縛られた世界観

主人公が認識できる世界の範囲。
”透明人間”であるクロが干渉できるもの。
平行世界に移動できるクロ達。

「さささぐ」には、透明人間や平行世界など複数の要素が登場するが、それぞれに理詰めで作られたルールが設定されているのも面白かった。

例えば主人公が見ている世界は

・人間を含めた「生物」全てが認識できない(触れられれば感じる)
・生物が触れているものは見えなくなる
・ので、道を走る車や人が触れている机や椅子は見えなくなる
・「鳥の照り焼き」などの料理も「生物」の死体なので見る事はできない
・ビデオカメラやレコーダーなど、物を介せば「生物」を認識できる

というような、ルールが存在しており、そういったルールが設定されたギミックが物語の様々な箇所で登場する。


▲平行世界のクロが活動できる範囲の図解。ルールの説明は作品のテンポを損なわないようにしつつも丁寧に説明されるので、めっちゃスルスル頭に入ってくる。


▲主人公が置かれた世界の絶望感も凄い。自分がこうなったらどうしよう、と考えると身震いしてしまう…。助けてクローッ!!

○○はできる。□□はできない。
というような、言ってしまえばこの作品の世界の中でだけ通じる法則のようなものもあるため、人によっては気になる所がでてくるかもしれない。

が、もしこういった「特定のルールが設定された世界」みたいなものが好きだったら、作品が進むにつれてワクワクする要素がどんどん増えていくので、激刺さりすると思われる。

物語はあくまで一本道

エンディングは複数個あるが、あくまで本筋となる物語は一本道。
選択肢による分岐で逸れたとしても、1~2分ほどで展開が終了するため「たくさんの結末が見たい!」とか、「俺は○○世界のクロエンドが見たいんだーッ!!」みたいなものを期待すると少しガッカリするかも。

とはいえ、物語自体のボリュームが非常に膨大(文庫本6冊分…!?)なうえ、ヒロインであるクロ達には不公平感なく、全員ちゃんとスポットライトを当ててくれるので、ここに関しては私はプレイして全く気にならなかったです。
ゲーム中の全てのシナリオを読んだ後の満足感もひとしお。

総評:ノベルゲーム好きだったらプレイすべき作品

総評としては、ノベルゲームが好きならまず間違いなく琴線に触れると思うので、購入オススメ!な作品。

とにかくかわいいヒロインの「クロ」と、作品内世界の様々なギミックで展開されるシナリオに、読み進めるのが全く止まらず、ぶっ続けでプレイできる環境じゃなければ、中断している間はずっと先の展開が気になってモヤモヤしっぱなしに。
前述の通りボリュームも多いので、これで3000円(パケ版は3600円)は確実にお得。かかくはかい。


▲クロ達はどんどん成長して、性格にも差異が出てきます。果たしてこれがどういう展開を生むのかは、プレイしてのお楽しみ。


▲とことん豹馬に対して健気なクロに心が打たれすぎて、ゲームプレイ後はクロを探したくなります…。

Switch版だと寝っ転がりながらプレイできるのでオススメ。
入院中の豹馬の気持ちとシンクロできます。
やっぱ凄いぜ…ケムコのADV…!